機械化混成大隊 一年戦争時、ジオンに遅れてMS開発に成功した連邦軍だったが、機体運用と実戦データは絶対的に不足していた。そのため軍上層部は実戦部隊にMSを試験的に配備。既存兵器との兼ね合いや新しい戦術・戦略の立案用のデータ収集を行った。そのため部隊編成は歩兵や戦車にMSが加わった大機甲部隊という体を成し、誰言うともなく機械化混成部隊、もしくは混成大隊と呼称された。代表的な部隊に、連邦軍極東方面軍独立機械化連隊所属の混成部隊がある。本部管理中隊、二個MS中隊、対MS歩兵中隊から構成され、大隊長の名から「コジマ大隊」とも呼ばれる。実戦データの収集という性格上、これらの部隊にはMSが最優先に配備されることになっていた。しかし実際には消耗品や交換パーツが慢性的に不足しがちであり、データ収集以前に稼動する実機を確保するほうが難しい状態であった。
機械仕掛けの魔神 「黒歴史」に記された伝説上の存在であるMSのこと。∀ガンダム、ターンXのみを指しているわけではない。MSを「機械人形」と呼ぶ場合もあるが、その場合は込められたニュアンスが少々異なる。「黒歴史」で語られる「魔神」は数千年に渡って地球圏に戦乱をもたらした悪しき存在であり、人知れず封印しておくべきものである。
機械人形 正歴の時代、地球の人々はMSの存在とその名称を忘れ去っていた。そのためムーンレイスが運用する人型機械や時折マウンテンサイクルから発掘される機体を、畏れを込めて機械人形と呼称した。
帰還調査 ディアナ・カウンターによる地球帰還作戦に先立って行われた、地球環境がムーンレイスに与える影響に対する事前調査のこと。2000年以上も月という低重力下で生活したムーンレイスにとって、1G下での生活が及ぼす影響は無視できないものであった。また、これは地球環境が生存に適するレベルまで回復したかを確認するための調査でもある。調査員は体内に生体発信器を埋め込まれ、地球降下後は自力での生活を行う。そうすることで得られた貴重なデータは発信器を通して月に送られ、計画の立案に利用された。
キケロ サイド3近海の鉱山小惑星で、資源供給のためコア3と連結された。過酷な労働環境のためネオ・ジオンに反抗的な住民が強制徴用されて居住させられており、そのため発掘作業の傍ら密かにネオ・ジオンへの抵抗運動を展開していた。ジュドーたちの活動でコア3と分断され、キケロの労働者たちは解放された。
騎士道精神 U.C.0088年のネオ・ジオンに所属する一部士官は、旧世紀の忠誠・武勇・敬虔・謙譲・弱者保護をモットーとする騎士道精神を標榜したとされるが、それはハマーンへの忠誠を示すためのものであった。とはいえ、宇宙世紀において大時代的な騎士道精神を振りかざすのは時代錯誤も甚だしく、陰で失笑を買っていたという話も聞かれる。
気象コンピューター 密閉空間であるコロニー内の天候は、あらかじめ定められたスケジュールどおりに変化する。その天候をコントロールするのが気象コンピューターである。日の出や日の入りといった日照量の変化をミラーの傾きによって調整し、そのほかにも気温や湿度、降雨量といった要素をコントロールし、コロニー環境を日常生活に最適な状態に保つ働きをしている。
騎士用MS 基本的には白兵戦を主体とする装備がなされたMSであり、騎士道精神を体現したような装備が施されているのが特徴。MS−15ギャンやAMX−104R・ジャジャなどがこれにあたる。通常のMSよりも生産性が低く、汎用性も低いため、指揮官用MSとして少数が配備される場合がほとんどである。
北アフリカ戦線 →アフリカ戦線
北アメリア大陸 「黒歴史」における北アメリカ大陸に相当する場所。国家と呼べるものは存在しないようだが、世襲の領主が支配する自治領が多数存在している。代表的な自治領にイングレッサ領とルジャーナ領がある。また、この大陸では二千年間戦争はなかったらしい。
北大西洋OZ補給基地 北大西洋エリアに設置されたOZの補給用中継基地。インダス補給基地同様、地球に降下した5機のガンダムに襲撃された。
キタメトロチオネイン キリマンジャロ基地でサイコ・ガンダムに搭載された新型コントロール装置との調整作業を受けるフォウが服用していた薬物。強化人間特有の頭痛や精神的な不安定さを抑える薬であろうと思われる。
軌道エレベーター 「黒歴史」の記述の中にある、宇宙船舶の重力圏離脱を補助するために建造された、地球静止衛星軌道まで延びるエレベーター。アデスカの民に伝わる伝承の中にある「始まりの樹=アデスの木」ではないかと思われる。アデスカの民の神話伝承では「始まりの樹が倒れた時に、枝の一本が弾けて宙に留まり、それがアデスの枝になった」と語られている。「アデスの枝」とはディアナたちが月に向かうときに利用した施設、ザックトレーガーを指す。また「始まりの樹が倒れた時・・・」という記述から、軌道エレベーター自体は失われてしまったものと思われる。
棄民政策 U.C.0100年代以降の地球連邦がスペースノイドに対して行った政策。U.C.0093年に発生した「シャアの反乱」以来、地球圏では大きな動乱は発生せず、経済力を付けた各コロニーは、戦争で失われた地球の工業・食料生産の肩代わりをするまでに成長した。地球側もコロニーの生産力なくしては立ち行かない状態であり、結果として、地球圏におけるコロニー経済の重要性が増大することになった。それと並行してコロニーの政治的発言力も増大したのだが、これを危惧した連邦政府は棄民政策とも取れる圧力政策を実行。当然、コロニー側もこの政策に反発し、両者の間に再び緊張感が高まることになった。フロンティア・サイドの住民にクロスボーン・バンガードを歓迎する動きが見られたのもそのためであった。
キャリフォルニアベース 連邦軍の北米地区における最大の複合軍事施設。陸海空軍の基地や宇宙港を含む各種港湾施設、各軍兵器生産工場など、20種類以上の軍事施設の総称である。元は連邦軍の基地であったが、U.C.0079年3月13日、ジオン軍の第2次降下作戦次に奪取され、地球に降下した公国軍のMS開発・生産・補給基地として利用された。ちなみに、占領直後の海軍ドックには連邦軍が建造した新型潜水艦が無傷で残されており、公国軍はこの船体を改修し、潜水艦部隊を編成した。シャアが所属するマッド・アングラー隊は、この基地所属の部隊である。また、U.C.0079年11月30日のジャブロー基地攻撃に投入されたのはキャルフォルニア・ベース所属の部隊であった。その後、ジャブロー降下作戦の失敗を契機にジオン軍の戦力が激減し、同年12月、連邦軍に奪回された。
旧地球連邦 第7次宇宙戦争以前に存在していた、地球の統治組織。地球上に存在する国家を中心に構成され、コロニーを地球の従属物として認識していた。そのためコロニー側との軋轢が絶えず、最終的には宇宙革命軍との全面戦争という悲劇を招いてしまう。戦争は数度に渡って繰り返され、第7次宇宙戦争で両者共倒れという形で終結。しかし一部の生き残りたちが新地球連邦樹立を宣言し、新たな戦乱の火種を生み出すことになった。
救命カプセル ルッグンに搭載されていたサバイバル・キット。楕円形のカプセル内に携帯食料や医療用品がコンパクトに収納され、この物資だけで大人数人が数日間生活することが出来る。
教育型コンピューター 連邦製MSに採用された特徴的な中枢ユニット。戦闘データを保存するだけでなく、独自に学習することで、パイロット同様にコンピューターの錬度を上げることが目的とされた。つまり戦闘経験の豊富な教育が多コンピューター(機体)ほど様々な状況に対応可能となり、結果的に高い戦闘能力を発揮することになる。さらに蓄積されたデータを別の機体に転用することで、その機体の戦闘能力を向上させることも可能。そのため戦闘後のデータ回収は最優先事項とされ、製造コストの高騰につながるコア・ブロック・システムが脱出機構としてだけでなく、データ回収を目的として搭載された。
強化人間 肉体と精神を人為的に操作することで高い戦闘能力を獲得した者の総称。遺伝子操作や後睡眠による強迫観念、薬物の使用によりニュータイプの能力と肉体を、人工の力によって強制的に作られる、つまり戦いのため生み出された人間といえる。この処置により高G戦闘への適応が可能となり、さらにニュータイプと互角の戦闘能力を持っているが、強化技術が不完全なため激しい副作用をもたらし、精神的に不安定で極度のストレスで戦闘不能状態に陥ることもあった。
競技用Jr.モビルスーツ 2〜5mサイズの小型MSの総称。U.C.0087年頃のコロニーでは、この機体を使った競技大会が定期的に開かれていたようである。さすがに内部に乗り込むわけにはいかず、パイロットは頭部や背部に設置されたシートに座って操縦した。
強襲巡洋艦 U.C.0087〜0088年にエゥーゴが開発した宇宙艦アーガマとネェル・アーガマは、強襲巡洋艦に分類されることがある。元々は強襲揚陸艦に分類されるホワイトベース級やペガサス級の流れを汲む艦であるが、艦自体の攻撃力を高めたことが、新しいクラスを発生させた原因と思われる。実際、両艦ともコロニー・レーザー並の火力を誇るハイパー・メガ粒子砲を搭載しており、その攻撃力は同時代艦を大きく上回る。またMS運用能力にも優れ、ガンダム・タイプMSの母艦としてグリプス戦役〜第1次ネオ・ジオン戦争を戦い抜いた。
強襲揚陸艦 一年戦争当時の地球連邦が構想した宇宙艦船の概念。それまでの連邦軍艦船(サラミス級やマゼラン級)が砲撃戦を主体とした設計であるのに対して、設計段階からMS運用を考慮した設計がなされた。艦体にはMS発進用カタパルトを標準装備し、外見も他の艦とは一線を画する形状を有している。連邦軍が開発した強襲揚陸艦は「ホワイトベース級」に分類され、ホワイトベース、グレイファントム、アルビオンなどの艦が存在する。しかし、グリプス戦役の頃になると強襲揚陸艦という概念はなくなり、強襲巡洋艦(強襲用宇宙巡洋艦)へと様変わりしていった。これは、宇宙戦闘艦においてはMSの搭載と運用能力が当然のことになったためである。
局地戦用MS 一年戦争において戦線投入されたMSには様々な状況に対応できる汎用性が重視されたが、戦局が多様化するに連れ、特定の状況でのみ最高の能力を発揮する機体が求められるようになった。そこで登場したのが局地戦用MSである。砂漠や熱帯、寒冷地帯といった極限状況や、水中下など特殊な環境での行動を考慮した機体には汎用機にはないオプション装備が搭載され、高い性能を発揮した。代表的な局地戦用MSとしては連邦軍の寒冷地仕様ジム、公国軍のドム・トローペンなどが挙げられる。
教導機動大隊 ジオン公国は初の実戦用MSであるMS−05の採用に伴い、その運用法を確立するための部隊を創設した。それが教導機動大隊であり、部隊はMS推進派であるキシリア・ザビ大佐の指揮下におかれたと記録されている。要員は、全軍からの兵科の区別なく募集されたという。しかし有能な隊員を各部隊が喜んで手放すわけもなく、編成には様々な騒動があったらしい。
錐の戦法 ラルを失ったハモンが、残り少ない戦力でホワイトベースを襲撃する際に採用した攻撃手段。まず第1波が標的の最も弱いと思われる部分へ攻撃、続く第2波、第3波も後に続くというもの。他の標的には目もくれない一点突破の攻撃法で、単純ながら効果的な手段である。その反面、敵の攻撃に対する防御手段が考慮されていないため、攻撃側に壊滅的な被害が出るという危険性をはらんでいる。
キリマンジャロ基地 アフリカ大陸の最高峰、キリマンジャロに建造された連邦軍基地。U.C.0080年代にジャブローより移転した、ティターンズ最大の基地であったが、エゥーゴとカラバの連合部隊の手によって壊滅してしまう。後にネオ・ジオンにより使用された。
キリマンジャロ攻略作戦 U.C.0087年11月2日に行われた、エゥーゴ、カラバ連合軍による連邦軍キリマンジャロ基地攻略戦。エゥーゴが衛星軌道上から援護攻撃を加えカラバのMS部隊が基地を直接攻撃した。この攻撃でキリマンジャロ基地は壊滅、ティターンズは地上での本拠地を失い、以後の戦闘は宇宙へと移行した。
ギロチン ザンスカール帝国はマリア主義という人道的な政策と、ギロチンによる恐怖政治を使い分け、急速にその影響力を拡大。中でもギロチンによる公開処刑は一般市民の抵抗意識を低下させるのに効果的だったとされる。ちなみにラゲーン基地のファラはギロチン処刑士の子孫という経歴の持ち主であり、ラゲーン近郊の反抗分子を次々に公開処刑した。
ギンガナム艦隊 ギンガナム家が代々司令官を担当する、月の防衛用に組織された大艦隊。外宇宙からの侵略者を想定した艦隊だが、実際には外敵が侵攻してくることはなく、約2000年間に渡ってひたすら軍事演習を繰り返すだけであった。そのため、いつしか月の防衛よりも戦闘そのもを重視するようになり、地球とディアナ・カウンターの対立に乗じて、独自に地球降下を開始している。
ギンガナム家 ムーンレイスの武を司る一族。正歴2340年代の代表者はギム・ギンガナムであった。二千年以上に渡って軍事演習を続けてきた彼らは、ムーンレイスの中で最も戦闘に通じている。しかし、粗暴な振る舞いが多く一般のムーンレイスからは煙たがられている。
キングスレー 北アメリア大陸オーバニーに位置する渓谷地帯。古くから宇宙船が埋まっているとの伝説があり、その話しを信じたウィル・ゲイムが発掘作業を続けていた。実際にキングスレーからは宇宙船ウィルゲムや陸戦艇ギャロップなど「黒歴史」の遺産が見つかっている。
キンバライト基地 一年戦争終了後、公国軍残党が急遽建設した基地。アフリカ戦線の公国軍残党はU.C.0080年6月に連合軍によって武装解除されたが、ノイエン・ビッター少将指揮するキンバライト基地はその後3年あまりも維持され、抵抗活動を続けた。HLVを所有していたため、GP02Aを宇宙に打ち上げる場所として選ばれた。GP02A奪還の任務を受けていたアルビオン隊と交戦し、打ち上げまでの時間を稼いだ。
筋力強化剤 強化人間の肉体改造に用いられる薬物で、筋力を常人の数十%も増強することが出来る。これにより強化人間は、MS操縦中にパイロットが受ける急激な加速度の変化にも耐えられるようになる。
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